授乳を知る

【いつ、どれくらい飲むの?】

最初の6週間、赤ちゃんは時間の感覚を備えていないので、朝や夜、食事や寝る時間などの決められたスケジュールに従うことができません。

そのため1回1回の授乳間隔の長さに耐えられない様子をときおり見せますが、だんだん慣れてくると、3,4時間に1回ペースの授乳ができるようになります。この時点で、赤ちゃんの1日の食事回数は6~8回といったところです。

健康的な授乳を実践するためにもっとも大切なことは、赤ちゃんのおなかがすいているときにうまく合わせて授乳をすることです。授乳を始めて数日間のうちに、母乳の量は赤ちゃんの必要量を満たす量に変化していきます。もし赤ちゃんの食欲が盛んになり、もっと母乳を要求するようになっても安心してください。母乳の量も赤ちゃんの要求に合わせて増えていきます。また、1回の摂取量が増えることで、自然と食事間隔は伸びていきます。


                                                                                                                                               
【もういらない!】

皆さんは、赤ちゃんがおなかがいっぱいになる瞬間が分かりますか?
母乳育児の場合は、赤ちゃんは必要な量しか飲みませんのですぐに知ることができます。
ミルク育児の場合は、赤ちゃんの飲んでいる様子をよく見てあげてください。
もし哺乳瓶の中身を飲み干すようであれば、ミルクの量が足りていない可能性が高いです。
1日に4~5回の食事を心がけ、1週間に1回の頻度で体重を量ってあげるのがよいででょう。
ポイント:ちょっと多めの食事を用意してあげましょう。おなかがいっぱいになると赤ちゃんは自分から手を止めます。
 

【母乳は足りてるの?】

ミルクの摂取量は食事ごとに異なります。
目安としては、1日に4~5回うんちが出ることです。
また1週間に1回、体重を測定してあげましょう。
 

【授乳で気をつけること】

授乳中、赤ちゃんがまだおなかがすいているようであれば、引き続きおっぱいをくわえさせてあげてください。これによって、あなたの乳腺にもっと母乳を生成するようにシグナルが発せられます。このようにして、赤ちゃんの要求に合わせて母乳の量は変化していきます。
赤ちゃんに母乳を目いっぱい飲ませてあげましょう。母乳がなくなってくると、母乳の中の脂肪分が増えていき、このカロリー豊富な母乳は赤ちゃんの体重増加のためにとても重要な役割を果たします。まだ飲み足りないようであれば、もう片方のおっぱいから授乳してあげましょう。
乳首の部分だけを加えさせるのではなく、乳輪部分全体をくわえさせるようにして授乳しましょう。こうすることで乳首に傷がつくのを防ぐことができます。
乳首に傷がつくのを防ぐために、赤ちゃんの口を乳首から引っ張らないようにしましょう。赤ちゃんの口を乳首から離すときは、指を乳首と口の間に滑り込ませてあげると簡単に離すことができます。
 

【母乳の冷蔵保存】

赤ちゃんが生まれて最初の1週間でさえ、ママは買い物や通院、友人宅訪問、仕事などどうしても外出しなければならないときはあります。
そのようなときはまず、赤ちゃんを一緒に連れて行くことができるかどうかを確認してください。最近では授乳ルームが設備された施設も多いです。それでもやっぱり赤ちゃんを連れて行くことができない場合は、母乳をあらかじめ搾乳して冷蔵保存しておくこともできます。そうすることで家族にお願いして、ママがいなくても赤ちゃんへママの母乳をあげることができます。
保存方法としては、搾乳した母乳はしっかりと洗浄された哺乳瓶に入れて、4℃~6℃の温度内で冷蔵庫の中で最大2日間保管することができます。このとき冷蔵庫のドアの部分ではなく、後ろの壁(冷蔵庫で一番冷えている部分)に近いほうに哺乳瓶を保管してください。
ただし、母乳の冷蔵保存には細心の注意を払う必要があり、赤ちゃんの健康状態によっても実施方法が異なるので、まずは医師や看護師に相談して、指示に従うようにしましょう。
 

【母乳はいつまで?】

母乳をあげる期間は決まっていません。
この期間はママによって、また赤ちゃんによって自然と決められるものです。
いわゆるベビーフードは、早ければ生後4ヵ月、遅くとも生後7ヶ月目には必要になってきます。そうすることでだんだんと大人のようなうんちが出るようになり、身体もどんどん成長します。これらのタイミングで母乳を自然にやめることを卒乳といいます。
一方で、ママ自ら母乳をあげるのをやめたいと思う場合もあります。このことを断乳といいます。そのときは、1日4時間間隔だったところを6時間間隔にしてベビーフードと併用しながら母乳をあげる回数を4回から3回、2回、1回と減らしていきましょう。そうすることで自然と母乳の出る量も減っていきます。
もし粉ミルクを赤ちゃんが拒絶した場合は、改めて母乳を与えるか、哺乳瓶の乳首の部分を母乳でぬらしてから与えてみるようにしてください。

☆ 覚えておいてください
母乳は赤ちゃんにとって必要な栄養素をすべて兼ね備えた最高の食事です。病気からも守ってくれる役割があります。また、継続的に母乳を与えることによって、ママの母乳の量も増えていきます。そのため一度母乳育児をあきらめると、そのあと母乳育児に戻ることは難しくなります。世界保健機関WHOも、特に最初の生後6ヶ月は母乳を与えるのが望ましいと推奨しています。母乳育児を断念しようとする場合でも、まずは医師や看護師に相談するようにしましょう。
 


【授乳の手引き】

母乳は赤ちゃんにとってもっとも自然な食事です。以下、授乳する際のポイントをまとめましたので参考にしてみてください。

・ 授乳するにふさわしい静かで清潔な場所をいつも選びましょう。


・ 授乳するときは赤ちゃんをママの身体に十分近づけて、乳輪部分が口で十分に覆われるようにしてください


・ 片方の腕で赤ちゃんの頭と身体をしっかり支え、もう片方の空いている手で親指を上にしておっぱいを固定します。こうすることで赤ちゃんがおっぱいをくわえやすくしてあげます。
しっかりと赤ちゃんの体勢を固定することがとても大切です。固定したら、赤ちゃんの口を乳首まで近づけていき、赤ちゃんの口が開くまで乳首に唇を触れさせた状態で待ちます。赤ちゃんが口を開いて乳首をしゃぶるとき、くれぐれもかじられないように、乳輪部分全体が覆われるように赤ちゃんの口をしっかりとおっぱいに密着させましょう。


・ 同じ側のおっぱいで15分~20分母乳を飲み続けている場合は、赤ちゃんが口を離したときをねらって、もう片方のおっぱいに赤ちゃんの口を移してあげましょう。


・ 授乳するときの姿勢はいろんな体勢を試してみましょう。体勢によっては慣れないものもあるかもしれませんが、いつも同じ体勢であげていると、どうしても飲み残されてしまう母乳が出てきてしまい、味も悪くなり、ママの乳腺炎の原因にもなります。
授乳後は乳首を空気で乾燥させるように心がけてください。

↓母乳のあげ方についての説明映像↓(※ドイツ語解説。字幕設定で日本語に自動翻訳することができます)